1. 北海道・東北

北海道・東北/山形県

株式会社ほのぼの

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特長1 眺めがいいよ

私は諸君に、このなんとも説明のしやうのない淺草公園の魅力を、出來るだけ完全に理解させるためには、私の知つてゐるかぎりの淺草についての千個の事實を以てするより、私の空想の中に生れた一個の異常な物語を以てした方が、一そう便利であると信ずる。ところで、さういふ物語をするためには私に二つの方法が可能だ。それはその物語を展開させるために必要な一切の背景を――たとへば劇場とか、酒場とか、宿屋などを全く私の空想の偶然に一任してしまふか、或ひはまた、さういふ背景だけは實在のものを借りてくるかである。そして私にとつては、むしろ後者の方が便利のやうに思へる。何故なら、私は經驗から、空想といふものは或る程度まで制御されればされるほど強烈になつて行くといふことを、知つてゐるからである。
 さて、私がこの物語を、最近の流行に從つて、近頃六區の人氣の中心となりつつある、カジノ・フオリーの踊り子たちのところに持つて行くのを、許していただきたい。事實は、私は彼女たちについて何も知らないのだ。そして私がこの物語を物語らしくするために、敢へてそれの無作法になるのも顧みないであらう、彼女たちに關する私の空想は、當の彼女たちをして怒らせるどころか、無邪氣な彼女たちをしてただ笑はさせるに過ぎないだらう。私はそれを信じるのである。

特長2 ごはんがおいしいよ

埃つぽい木の階段を、下駄の音を氣にしながら上つて行くと、いきなり、人々の頭ごしに(彼等はうしろの方の椅子がたくさん空いてゐるのに、それに腰かけずに、立つたまま、舞臺を見てゐるのである)、音樂が聞え、踊り子たちの踊つてゐるのが見えるのだ。初めてそこに這入つた人は、よくそのうしろの方の空席に腰を下さうとしたが、すぐその椅子がぐらぐらしてゐて危險だつたり、或ひはその覆ひに大きな孔があいてゐて、そこから藁屑がはみ出してゐて、それがすぐ着物にくつつくのに氣がついて、再びそこから腰を持上げてしまふのだつた。そして全體の見物席はといへば、二百人位しかはひれないその二階と、それから百人位しかはひれない上の三階と、それだけだつた。私はいつも三階に上つて見ることにしてゐた。最初、私がここに通ひ出してゐたときは、私はよく二階のもつとも舞臺に近い席に割り込んでいつて、彼女たちの脚の間から彼女たちの踊るのを見上げるやうにしてゐたが、さうすると、踊り子たちが脚を上げる度毎に舞ひあがる舞臺のひどい埃りを、厭でも吸はなければならなかつたので、それにすつかり閉口して、今度は、三階のもつとも舞臺に近い席から、そしてほとんど踊り子たちの眞上から、彼女らの踊るのを見下すことにしてゐた。

特長3 家から近いよ

ある夜、私は公園の中を散々にうろつきまはり、ひどく疲れて、やつと自分の家に歸つてきたのは、もう一時近くであつた。私は自分の部屋にはひるや否や、私の机の上に一通の、切手も貼つてなければ、差出人の名前もない、手紙が置かれてあるのを見出した。私は封を切つた。そして私は讀んだ。誰だか分らないが、私にすぐ、いま彼のゐる駒形の「すみれや」まで來てくれといふ、まるで警察からの呼出し状のやうな簡單な走り書だつた。その手紙を書いたものは、よほど取亂してゐたと見えて、自分の名前を書き落したばかりではなく、その亂雜な走り書は、それが誰の字であるかを、到底私に判讀させないほどであつた。その手紙はその宿屋(?)の雇人が私のところに屆けたものらしかつた。しかしもう寢入つてしまつてゐる家のものを、わざわざ起してまでも、その持參人を取調べるほどのこともあるまいと、私は思つた。そこで私は、非常に疲れてゐて、もう動くのも厭な位だつたが、はげしい好奇心に驅られながら、再び自分の家を出て行つたのである。

企業情報

会社名
株式会社ほのぼの
本社所在地
蔵王とか
拠点都道府県
宮城県 山形県
TEL
00-00-00

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